俺様副社長は愛しの秘書を独占したい
「僕、ずっと日本に住んで日本の学校に通ってみたかったんだ！　だけどなかなかマムが許してくれなくて……。でもダディも一緒にマムを説得してくれて、やっと許してもらえたんだ！」

　うれしそうに話す圭太君。でもそれじゃ圭太君は日本にひとりで生活するということだろうか。まだ小学生だよね？

「そっか。……だけど寂しくないの？　ひとりで」

　心配になって聞くと、圭太君は首を横に振った。

「ううん、ひとりじゃないよ。家族と一緒に日本で生活するんだ。……ひとりで飛行機に乗ったのはね、ダディにこれも勉強だって言われて」

「そうなんだ」

　圭太君のお父さん、すごいな。私がもし圭太君の立場だったら、無理だって泣いちゃいそう。飛行機にひとりで乗るなんて、小学生の時だったら怖いと思うから。
　それなのにお父さんの言いつけ通り、こうしてひとりで乗れちゃう圭太君も本当にすごい。

　感心していると、今度は圭太君が聞いてきた。

「瑠璃ちゃんは？　もしかして旅行の帰りとかで、僕と同じひとりなの？」

「えっ……あ、ううん旅行じゃなくて……。しばらくこっちで仕事をしていたんだけど、今度から日本に戻って仕事することになって。だから今から帰るところなの」

　説明するものの、思い出すとまた複雑な気持ちになる。
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