俺様副社長は愛しの秘書を独占したい
甘え上手になりたい
ニューヨーク本社に勤めていた頃は、刺激し合える仲間に囲まれて、仕事のことだけを考えていた。
毎日が楽しく充実していて、恋愛したいなんて微塵も思わなかったし、考えもしなかった。
それは日本本社に異動しても、変わらないと信じて疑わなかったんだけれど……。
「木名瀬さん、いつになったら俺と食事にいってくれるんですか?」
「それは何度も言っているでしょ? 行かないって」
最寄り駅から会社に向かう途中、ばったり出くわした源君は、ぴたりと私に寄り添って離れてくれそうにない。
「どうしてですか? ニューヨーク本社でのことや、仕事について木名瀬さんと語りたいだけですよ?」
「ニューヨークだろうと日本だろうと、私たち秘書がやるべき仕事は変わらないし、仕事について語りたいなら、私ではなくても源君に誘ってもらえたら、みんな喜んで付き合ってくれると思うよ」
「俺は木名瀬さんだから誘っているんです」
容赦なく切り捨てても、彼は引き下がらない。
歩を進めるほど本社ビルが近づいてきて、会社の人たちが私たちを見てコソコソ話しているのが聞こえてくる。
毎日が楽しく充実していて、恋愛したいなんて微塵も思わなかったし、考えもしなかった。
それは日本本社に異動しても、変わらないと信じて疑わなかったんだけれど……。
「木名瀬さん、いつになったら俺と食事にいってくれるんですか?」
「それは何度も言っているでしょ? 行かないって」
最寄り駅から会社に向かう途中、ばったり出くわした源君は、ぴたりと私に寄り添って離れてくれそうにない。
「どうしてですか? ニューヨーク本社でのことや、仕事について木名瀬さんと語りたいだけですよ?」
「ニューヨークだろうと日本だろうと、私たち秘書がやるべき仕事は変わらないし、仕事について語りたいなら、私ではなくても源君に誘ってもらえたら、みんな喜んで付き合ってくれると思うよ」
「俺は木名瀬さんだから誘っているんです」
容赦なく切り捨てても、彼は引き下がらない。
歩を進めるほど本社ビルが近づいてきて、会社の人たちが私たちを見てコソコソ話しているのが聞こえてくる。