俺様副社長は愛しの秘書を独占したい
あぁ、これでまた余計な噂が広がってしまいそうでうんざりする。どうして源君はどんなに突き放しても、果敢に攻めてくるのだろうか。
玄関を抜けてエレベーターホールで足を止めると、懲りずに彼は続ける。
「ねー、行きましょうよ。僕、おいしいお店知っているんですよ」
「ぜひ他の人と一緒にいったら?」
順番がきて乗り込んでも、私を必死に誘う源君。狭い密室空間では内緒話が嫌でも耳に入る。【一回くらい付き合ってあげればいいのに。何様なの?】【私たちに見せびらかしたいだけじゃないの? 私、モテて困るんですって】【あ、それはあり得るかも】
好き勝手言われ放題だ。……もう慣れたけど。
源君の話をいっさい無視して、エレベーターから降り、秘書課へと向かった。
日本本社に異動してから二ヵ月が過ぎた。仕事にはもちろん、久しぶりに嫌味や陰口を言われることにも慣れた。まぁ、嫌味や陰口を言われる原因はすべて源君にあるんだけど。
彼は飽きることなく毎日のように私を誘ってくる。だけどその目的がなんなのか、いまだに掴めていない。
玄関を抜けてエレベーターホールで足を止めると、懲りずに彼は続ける。
「ねー、行きましょうよ。僕、おいしいお店知っているんですよ」
「ぜひ他の人と一緒にいったら?」
順番がきて乗り込んでも、私を必死に誘う源君。狭い密室空間では内緒話が嫌でも耳に入る。【一回くらい付き合ってあげればいいのに。何様なの?】【私たちに見せびらかしたいだけじゃないの? 私、モテて困るんですって】【あ、それはあり得るかも】
好き勝手言われ放題だ。……もう慣れたけど。
源君の話をいっさい無視して、エレベーターから降り、秘書課へと向かった。
日本本社に異動してから二ヵ月が過ぎた。仕事にはもちろん、久しぶりに嫌味や陰口を言われることにも慣れた。まぁ、嫌味や陰口を言われる原因はすべて源君にあるんだけど。
彼は飽きることなく毎日のように私を誘ってくる。だけどその目的がなんなのか、いまだに掴めていない。