俺様副社長は愛しの秘書を独占したい
「あー……もう、本当にかわいい。俺はそうやって感情剥き出しにする瑠璃ちゃんも好きだよ」

「なに言ってるんですか」

 しみじみと『好き』と言われ、身体中の熱が上昇してしまう。

「ちなみに恥ずかしさを押し殺しているところも好き」

 ダメ押しの『好き』に、なにも言えなくなる。
 こうして面と向かって気持ちを伝えられたのは告白された日以来で、本当に副社長に好かれているんだと嫌でも実感していく。

 だからこそ思う。ちゃんと自分の気持ちを伝えなくてはと。だって私はもう恋愛する気はない。彼が本気で私を想ってくれているなら、早く言わないとだよね。

「さて、話を戻そうか。噂は真っ赤な嘘でも、そういう話になるってことは、アイドル君と少なからずなにかあるからだろ?」

「あ、はい」

 そうだ、まずはこっちの問題のほうが先よね。それに会社でプライベートな話をするべきではない。自分の気持ちを伝えるのはまた日を改めよう。

「なに? もしかして俺と同じように彼も瑠璃ちゃんの魅力に気づいちゃった?」

「いいえ、そういうわけでは決してないかと。……ただ、その……」

「ただ、食事とかにしつこく誘われているの?」
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