俺様副社長は愛しの秘書を独占したい
「あ、お茶菓子のストックはどうだったかな」
独り言を呟きながらもう一度給湯室に入り、残りを確認すると心もとない。急な来客もよくあるし、帰りに百貨店によって銘菓を買ってこよう。
デスク周りを整理し終えると、定時から三十分が過ぎていた。まだ会議中のようで副社長室からは彼の声が聞こえてくる。
先に上がりますって声をかけないほうがいいよね。
そう思い、静かに部屋を出て廊下を突き進んでいく。途中、すれ違う社員と挨拶をしながら秘書課に着くと、オフィスには誰もいなかった。
だけど決して珍しい光景ではない。出勤時は出張や外回りに出ている者以外全員揃うけれど、退社時は秘書課に寄る決まりはないから。秘書についていない社員も、研修という形で第二秘書として務めているし。
だからオフィスに誰もいないことはよくあることだ。
雑務を片づけようとした時、いつも持ち歩いている手帳を副社長室に置いてきたことを思い出す。
「やっちゃった」
あれがないと非常に困る。取りに戻ろうと席を立つと、誰かがオフィスに入ってきた。
「お疲れ様です」
挨拶をしながら歩を進めたものの、相手を見て再び足が止まる。
向こうもびっくりしていたが、すぐに笑顔で私を見た。
独り言を呟きながらもう一度給湯室に入り、残りを確認すると心もとない。急な来客もよくあるし、帰りに百貨店によって銘菓を買ってこよう。
デスク周りを整理し終えると、定時から三十分が過ぎていた。まだ会議中のようで副社長室からは彼の声が聞こえてくる。
先に上がりますって声をかけないほうがいいよね。
そう思い、静かに部屋を出て廊下を突き進んでいく。途中、すれ違う社員と挨拶をしながら秘書課に着くと、オフィスには誰もいなかった。
だけど決して珍しい光景ではない。出勤時は出張や外回りに出ている者以外全員揃うけれど、退社時は秘書課に寄る決まりはないから。秘書についていない社員も、研修という形で第二秘書として務めているし。
だからオフィスに誰もいないことはよくあることだ。
雑務を片づけようとした時、いつも持ち歩いている手帳を副社長室に置いてきたことを思い出す。
「やっちゃった」
あれがないと非常に困る。取りに戻ろうと席を立つと、誰かがオフィスに入ってきた。
「お疲れ様です」
挨拶をしながら歩を進めたものの、相手を見て再び足が止まる。
向こうもびっくりしていたが、すぐに笑顔で私を見た。