俺様副社長は愛しの秘書を独占したい
 必死に抵抗するものの、歯が立たない。
 どうしよう、このままじゃ私っ……!
 これから自分の身に起こることを想像すると、怖くて身体が震えてくる。

 お願い誰か助けて。……助けて、副社長……!

 だけどいよいよ壁際に追いやられ、もうだめだと諦め固く瞼を閉じた。その時――。勢いよくドアが開いた。

「なにしているんだ!」

 怒りのこもった大きな声が静かなオフィスに響いた。

 この声って……。

 すぐに解放された身体。すると強い力で引き寄せられた。副社長は私を自分のうしろに隠し、動揺している源君と対峙した。

「質問に答えろ。彼女に今、なにをしていた?」

「なにもしていませんよ。ただ、お話していただけで……」

 厳しい口調で責め立てられ、源君はしどろもどろになりながら説明する。だけど副社長はさらに強く追及した。

「とてもじゃないが、そうは思えない。ただ話していただけなら、どうして彼女の身体はこんなに震えているんだ? その理由を話してもらおうか?」

「……っ。本当に話していただけですから。証拠もないのに、そんな責めないでください」

 なにを言って……っ!
 すぐに反論しようとしたものの、副社長に止められてしまった。
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