俺様副社長は愛しの秘書を独占したい
「そうだ、瑠璃ちゃん。今度うちに遊びにこない?」

「え……副社長のご自宅にですか?」

「あぁ、最近圭太が料理を覚えてさ。瑠璃ちゃんにご馳走したいんだってさ」

 一瞬ドキッとしてしまった自分が憎い。そうだよ、副社長は圭太君と一緒に暮らしているんだ。それなのになぜドキッとしたの? 私。

「そういうことでしたらぜひお伺いさせてください」

「ありがとう、圭太も喜ぶよ」

 丁寧に一礼し副社長室を出たところで、ため息が零れた。

 昨日のことがあってか、副社長のことを意識しすぎている。今までこんなことなかったのに……。

 だけどすぐに今は仕事中と気持ちを切り替えた。
 パソコンを起動させ、さっそく仕事にとりかかる。だけどふと、細川さんのことを思い出し、彼女にメールを送った。【相談したいことがあるから、今度時間を作ってくれないかな?】と。

 するとすぐに返信が届いた。【今日の昼休みなら空いてるわよ】って。

 スケジュールを確認すると、今日は社内視察と十六時からの営業会議に出席するのみ。ランチに外出しても大丈夫だ。

 私もすぐに返信し、昼休みに備えてよりいっそう集中して仕事にあたった。
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