俺様副社長は愛しの秘書を独占したい
「それでその……迷惑じゃなければまた源君のことで、細川さんにいろいろと探ってもらえると助かるんだけど……お願いしてもいいかな?」

 様子を窺いながら聞くと、彼女は顔をニンマリさせた。

「もちろんよ。私、探るのは得意なの。任せておいて!」

 自分の胸を叩きながら豪語する。

「ありがとう」

「いいえ。あなたに私の存在のありがたみをわからせるチャンスだし、がんばらせてもらうわ」

 本当は申し訳ない気持ちでいっぱいだし、巻き込まないか心配だけれど……。運ばれてきたランチプレートを食べる細川さんをもう一度見る。

 さっきうれしそうだったよね? 頼ったのは間違いじゃないんだよね?
 そう自分に言い聞かせて私も食べ進める。

「それにしても本当になにもなくてよかったわね。木名瀬さんの忘れた手帳を副社長が届けにきてくれなかったら、今頃こうしてランチできていなかったわよ?」

「……うん」

 本当に副社長には感謝している。助けてくれただけではなく、ずっと心配してくれて……。
 思い出すと胸がトクンと音を立てた。
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