俺様副社長は愛しの秘書を独占したい
圭太君の話を聞き、私はずっと日本に帰国することに対してマイナスなことばかり考えていたと気づかされた。
日本に帰らないつもりでいたけれど、それでもやっぱりふとした瞬間に家族が恋しくなる時があった。
異動になったことで日本に戻り、家族と一緒に暮らすことができるんだ。
それに圭太君の言う通り、新たに人間関係を築いていけばいい。日本から離れて四年経つんだもの。きっと社内の雰囲気もガラリと変わっているはず。
あれほど不安でいっぱいだったのに、前向きな気持ちになっている。新たな上司の元でがんばろうって思えてくるから不思議。こんな気持ちになれたのは、圭太君のおかげだ。
「ありがとう、圭太君」
お礼を言うと、圭太君は小首を傾げた。
「え? 僕、お礼を言われるようなことなんて、なにもしていないよ?」
「ううん、そんなことないよ。圭太君のおかげでがんばれそう。だから本当にありがとう」
心から感謝の思いを伝えると、圭太君はなぜか頬を赤らめた。
「えへへ、〝ありがとう〟って言われると、なんか照れるね。……それに瑠璃ちゃんの笑った顔、すごくかわいいから余計に恥ずかしいよ」
「……えっ」
か、かわいい……? 私が?
言われ慣れていない言葉に、かあっと顔が熱くなる。
日本に帰らないつもりでいたけれど、それでもやっぱりふとした瞬間に家族が恋しくなる時があった。
異動になったことで日本に戻り、家族と一緒に暮らすことができるんだ。
それに圭太君の言う通り、新たに人間関係を築いていけばいい。日本から離れて四年経つんだもの。きっと社内の雰囲気もガラリと変わっているはず。
あれほど不安でいっぱいだったのに、前向きな気持ちになっている。新たな上司の元でがんばろうって思えてくるから不思議。こんな気持ちになれたのは、圭太君のおかげだ。
「ありがとう、圭太君」
お礼を言うと、圭太君は小首を傾げた。
「え? 僕、お礼を言われるようなことなんて、なにもしていないよ?」
「ううん、そんなことないよ。圭太君のおかげでがんばれそう。だから本当にありがとう」
心から感謝の思いを伝えると、圭太君はなぜか頬を赤らめた。
「えへへ、〝ありがとう〟って言われると、なんか照れるね。……それに瑠璃ちゃんの笑った顔、すごくかわいいから余計に恥ずかしいよ」
「……えっ」
か、かわいい……? 私が?
言われ慣れていない言葉に、かあっと顔が熱くなる。