全てを失っても手に入れたい女がいる 2
「もしもし魁斗? 悪いけど、やっぱそっちお前一人でなんとかしといて?」
『バカヤロウ! そんな訳に行くかよ!
お前、この契約がどれだけ大切なものか知ってるだろ!?』
「あゝ知ってるよ? だから頼んでるんだろ?」
『お前、絶対分かってない!
良いか? ここでお前が来なかったら、この契約はおじゃんよ? お前のプロジェクトが飛んじゃうの!
いや、俺達の祈願が叶わなくなるかもしれないんだぞ!?
どうせ、お前の事だから、適当に話し合わせとけば良いなんて言うんだろうけどね?
俺は無理! 今回だけはお前の言うこと聞かない!』
「そんなこと言わないで、お前なら出来るって?
適当に話し合わせとけば良いからさ?
あっ、もう行かないと… 頼んだ!」
『お、おい、涼夜!!』(プチ)
魁斗が呼び止めるも、要件は済んだとばかりに、涼夜は電話を切ってしまう。
そして涼夜は右口角上げ、何やら楽しそうに笑う。
さぁ、行くか!!