ここはディストピア あなたは亡国の騎士 わたしは愛玩物
「?……よくわかんないけど、マナーか何か?窮屈そうね。イザヤと結婚すれば、かなり自由になれたのに。」
そういい置いて、私はシーシアの寝室を出た。
***
「ティガおはよー!早いね!」
ヴィシュナの木の下で、私はティガに駆け寄った。
ティガは、私の笑顔を見て……苦笑した。
「おはようございます。まいら。……シーシアさまに、ことの次第を聞いたようですね。」
「うん!聞いた!びっくりした!ティガ、止めに行ってんてねえ。ありがとう。」
満面の笑みで、心からお礼を言えた。
でもティガは首を横にふり、声を潜めた。
「まいら。そのことは二度と口にしてはいけません。もちろん、リタやドラコにも、話さないように。」
あ、そうやった。
内緒の話やった。
私は慌てて、こくこくと頷いてみせた。
「あ、でも、それならシーシアにも口止めしないと。」
ティガは、ほうっとため息をついた。
「もちろんいたしました。しかし、既にまいらは知っている。……まったく……シーシアさまに秘め事は不可能ですね。」
「……そうかも。……あれ?」
ひらり……と、白いものが降ってきた。
雪?
……見上げると、朝焼けの空が輝いていた。
雪雲ない……。
ということは?
ヴィシュナの花?
まさか……?
さっき咲いて、もう散ってきたの?
儚すぎる……。
せめて朝食まで待ってほしかったわ。
「……シーシアさま、お力が戻られたのですね。」
ティガもヴィシュナの木を見上げた。
「そうみたい。……よっぽどイザヤが嫌やったんやね。」
苦笑いする私に、ティガは、しれっと怖いことを言った。
「仕方ないですね。シーシアさまには、ご希望通り、ずっと神の花嫁でいていただいたほうがよさそうですね。」
……それって……幽閉扱いじゃない?
あ。
なんか、わかった。
そうか……。
ティガって、すごく丁寧だし、自分の都合のいいひとには優しいけど、邪魔なら体よくよく排除しちゃったり……気質は、とっくに政治家なんだ。
……あたりはよくても信頼できない、ただお互いに利用し合えれば、良好な関係……。
死んだおばあちゃんの親戚にも政治家さんいるけど、うちの家族は、みんな、あまり好きじゃいみたいだった。
ティガも、今は私に親切だけど……シーシアに対してさえこんなこと言っちゃうヒトだったら……。
そういい置いて、私はシーシアの寝室を出た。
***
「ティガおはよー!早いね!」
ヴィシュナの木の下で、私はティガに駆け寄った。
ティガは、私の笑顔を見て……苦笑した。
「おはようございます。まいら。……シーシアさまに、ことの次第を聞いたようですね。」
「うん!聞いた!びっくりした!ティガ、止めに行ってんてねえ。ありがとう。」
満面の笑みで、心からお礼を言えた。
でもティガは首を横にふり、声を潜めた。
「まいら。そのことは二度と口にしてはいけません。もちろん、リタやドラコにも、話さないように。」
あ、そうやった。
内緒の話やった。
私は慌てて、こくこくと頷いてみせた。
「あ、でも、それならシーシアにも口止めしないと。」
ティガは、ほうっとため息をついた。
「もちろんいたしました。しかし、既にまいらは知っている。……まったく……シーシアさまに秘め事は不可能ですね。」
「……そうかも。……あれ?」
ひらり……と、白いものが降ってきた。
雪?
……見上げると、朝焼けの空が輝いていた。
雪雲ない……。
ということは?
ヴィシュナの花?
まさか……?
さっき咲いて、もう散ってきたの?
儚すぎる……。
せめて朝食まで待ってほしかったわ。
「……シーシアさま、お力が戻られたのですね。」
ティガもヴィシュナの木を見上げた。
「そうみたい。……よっぽどイザヤが嫌やったんやね。」
苦笑いする私に、ティガは、しれっと怖いことを言った。
「仕方ないですね。シーシアさまには、ご希望通り、ずっと神の花嫁でいていただいたほうがよさそうですね。」
……それって……幽閉扱いじゃない?
あ。
なんか、わかった。
そうか……。
ティガって、すごく丁寧だし、自分の都合のいいひとには優しいけど、邪魔なら体よくよく排除しちゃったり……気質は、とっくに政治家なんだ。
……あたりはよくても信頼できない、ただお互いに利用し合えれば、良好な関係……。
死んだおばあちゃんの親戚にも政治家さんいるけど、うちの家族は、みんな、あまり好きじゃいみたいだった。
ティガも、今は私に親切だけど……シーシアに対してさえこんなこと言っちゃうヒトだったら……。