策士な課長と秘めてる彼女
「就職してからずっと思っていたことがあるんです。本当は私は会社勤めは向いていないんじゃないかって・・・」
スマホから陽生に目を向けた日葵は、迷いを振りきったような強い眼差しをしていた。
「本当は柊くんの面倒をみながら在宅で仕事ができたらと思っていました。今回のことでHashimitsuへの恩とか思い入れとか、そういったものを取り払って考えられるようになった気がします」
日葵は、ずっと持ち歩いていたバッグから書類の入ったA4サイズの封筒を出すと、
「実は、ホームページを通じて、写真やデザインの個人的な依頼が来ているんです。まだ件数は多くないのですが、大学の教授に相談したら、今後もビジネスとしてやっていけるだろうとお墨付きを貰えたんです」
嬉しそうな日葵は覚悟を決めたようだ。
Hashimitsuの今後は危うい。
しかも、社長の娘に大切な知人と家族である柊を襲われて平然と働き続けるはずはない。
有給休暇をこのまま消化して、そのまま退職するつもりだ、と日葵は言った。
「個人で在宅ワークをするということか・・・」
「はい。不安はありますが、そのうちスポンサーを見つけてフリーのデザイナーとして頑張るつもりです。だから・・・」
「ストップ。その事と俺たちの結婚は関係ない。予定通りに結婚するし、日葵の意志も尊重する」
「いいんですか?私、無職になるんですよ?」
不安そうな日葵の言葉を、陽生が失笑する。
「住む家もあるし、仕事の予定もすでにも入ってるんだろ?それに日葵一人くらい養える甲斐性はあるつもりだ。全く問題ない」
何を言っても゛糠に釘゛゛暖簾に腕押し゛
陽生は日葵との結婚を止める気はないようだ。
この間まで、日葵に冷線ビームを送り続けていた真島課長とは思えない。
本人曰く、切なくて日葵を遠くから見つめていただけのようだがあまりにも雰囲気が違いすぎて戸惑うばかりだ。
だが、警察犬オタクの日葵には、このくらいグイグイ責めてくる強引な男でないと相手はつとまらないのかもしれない。
日葵は自分への想いを隠そうともしない陽生に心の底から感謝していた。
スマホから陽生に目を向けた日葵は、迷いを振りきったような強い眼差しをしていた。
「本当は柊くんの面倒をみながら在宅で仕事ができたらと思っていました。今回のことでHashimitsuへの恩とか思い入れとか、そういったものを取り払って考えられるようになった気がします」
日葵は、ずっと持ち歩いていたバッグから書類の入ったA4サイズの封筒を出すと、
「実は、ホームページを通じて、写真やデザインの個人的な依頼が来ているんです。まだ件数は多くないのですが、大学の教授に相談したら、今後もビジネスとしてやっていけるだろうとお墨付きを貰えたんです」
嬉しそうな日葵は覚悟を決めたようだ。
Hashimitsuの今後は危うい。
しかも、社長の娘に大切な知人と家族である柊を襲われて平然と働き続けるはずはない。
有給休暇をこのまま消化して、そのまま退職するつもりだ、と日葵は言った。
「個人で在宅ワークをするということか・・・」
「はい。不安はありますが、そのうちスポンサーを見つけてフリーのデザイナーとして頑張るつもりです。だから・・・」
「ストップ。その事と俺たちの結婚は関係ない。予定通りに結婚するし、日葵の意志も尊重する」
「いいんですか?私、無職になるんですよ?」
不安そうな日葵の言葉を、陽生が失笑する。
「住む家もあるし、仕事の予定もすでにも入ってるんだろ?それに日葵一人くらい養える甲斐性はあるつもりだ。全く問題ない」
何を言っても゛糠に釘゛゛暖簾に腕押し゛
陽生は日葵との結婚を止める気はないようだ。
この間まで、日葵に冷線ビームを送り続けていた真島課長とは思えない。
本人曰く、切なくて日葵を遠くから見つめていただけのようだがあまりにも雰囲気が違いすぎて戸惑うばかりだ。
だが、警察犬オタクの日葵には、このくらいグイグイ責めてくる強引な男でないと相手はつとまらないのかもしれない。
日葵は自分への想いを隠そうともしない陽生に心の底から感謝していた。