策士な課長と秘めてる彼女
日葵の予想は外れ、陽生はどんなに遅くても蒼井家に帰ってきた。

日葵の用意した食事を食べ、日葵を抱き締めて眠る。

日に日に疲労が濃くなり、少し痩せた陽生が日葵は心配だったが、

「大丈夫だ。日葵とこうして暮らせて、数ヵ月後に結婚できると思うだけで頑張れる」

そう言う陽生に何も言うことができなかった。

日葵の日常は穏やかに過ぎている。

朝晩の柊とのリハビリを兼ねたウォーキング。

朝食を作り、陽生を送り出して、家事をこなしながら写真やデザイン画の加工を行う。

少しずつ受注も増え、軌道に乗ってきたように感じ始めた頃だった。

夕方の散歩に出掛けようと、日葵と柊が玄関先の門を出たところに、因縁の人物、橋満槙が現れたのだ。
< 138 / 149 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop