策士な課長と秘めてる彼女
「お前が柊か?想像よりもスマートでかっこいいな」

陽生の不躾な言葉にも、柊は答えない。

じっと陽生を睨み付けるだけだ。

「ちょっと、課長、じゃなかった、陽生さん。あなたこんなところで何をやっているんですか?」

「蒼井の、いや、日葵の彼氏とやらを拝みに来たんだ。来た甲斐があったな」

ニヤリと笑う陽生の笑顔は黒いながらもレアものだ。

「わ、私、一言も、誰にも彼氏なんて言ってませんし」

「だが、周囲の勘違いを利用してたのは否定できないだろ?俺も長年、騙されてたわけだが」

「ググル・・・」

「まさか、お前の彼氏が・・・」

「バゥッ」

「ジャーマンシェパードだったとはな」

柊は、そう言った陽生の足元に近づき、激しく威嚇を始めた。

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