策士な課長と秘めてる彼女
「課長!」

陽生は振り向かずにどんどん進んでいく。

「もう!陽生さん!」

「なんだ?」

玄関のドアに手をかけた陽生が振り返る。

「本気ですか?何でそこまでする必要が・・・」

「日葵の監視と・・・俺を翻弄した罰だ」

いつもと違って目元が笑っている?

一緒についてきていた柊は、玄関のたたきにお座りをして呑気に後ろ足で耳を掻いている。

肝心な時に頼りにならない、と柊をけしかけそうになったが、警察犬の資格を持つ柊に命令をしたら大変なことになる。

日葵は慌てて、駐車スペースに停めてある陽生の車のところまで、陽生を追いかけた。
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