策士な課長と秘めてる彼女
「しかし、彼氏が犬だったなんてな。知ってたらアプローチした奴はあとをたたなかっただろうな」

「ただの犬じゃない。警察犬だ」

「へえ、警察犬って家で飼えるの?」

「委託警察犬っていって、普段は自宅か民間の訓練施設で暮らして必要時だけ出動するそうだ。ぼんやりしてるように見えるけど、ああ見えて日葵も警察犬訓練士の資格を持ってるらしい」

「へえ、たった3日でずいぶん親しくなって日葵に詳しくなったわね。私もお役ごめんかしら」

いつか動物好きの息子もその警察犬に会わせたいと、蘭が言った。

だが、陽生にはこの後、大きな難関が待ち構えている。

「花菱には世話になった。これからは自分でやる」

「日葵を傷つけたら許さないからね」

「そんなの俺も許さない」

先輩と直属の上司からここまで可愛がられる日葵。

彼氏がいないことがばれたらどんな輩に狙われるかわからない。

゛急がなければ゛

ランチを終えた策士の真島課長は、用意周到に策を張り巡らせることに集中した。

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