策士な課長と秘めてる彼女
「どうだ、日葵ちゃん。時々は、うちのラブを訓練してみるか?」
「えっ?そんな大役、今の私には無理です。こうしてたまに柊君の訓練を見せていただけるだけで満足ですから」
日葵は警察犬の三等訓練士という民間団体が認定する公認訓練士の資格を持っていた。
大学の3年半、日葵の祖父が健在であったときに、住み込みで警察犬の訓練に携わった。
学業との二足のわらじで大変だったが、祖父や高梨の支援のお陰で何とか乗り切ることができた。
しかし、こうしてデザインの仕事を本業にした以上は、訓練士として求められる、二年更新のための資格認定要項を満たすことは難しい現実が立ちふさがっている。
「そこの彼氏、真島くんと結婚したら、今の仕事を辞めて訓練士一本に絞ったらどうだ?夫が課長なら食いぶちにも困らないだろう?」
「か、課長とはそんなんじゃありません!ましてや結婚なんて・・・」
あたふたする日葵を尻目に
「今、僕と日葵さんは、蒼井の家で一緒に暮らしてるんです。今後のことも含めて、じっくり二人で話し合わなければなりませんね」
と、陽生が何も決まっていない将来を口にする。
「ちょっと、かちょ・・・」
日葵の肩を抱き寄せて、ジロリと視線を寄越す陽生に
「陽生さん、たら・・・もう・・・」
と、日葵は反論することも諦めて俯いてしまうのだった。
「えっ?そんな大役、今の私には無理です。こうしてたまに柊君の訓練を見せていただけるだけで満足ですから」
日葵は警察犬の三等訓練士という民間団体が認定する公認訓練士の資格を持っていた。
大学の3年半、日葵の祖父が健在であったときに、住み込みで警察犬の訓練に携わった。
学業との二足のわらじで大変だったが、祖父や高梨の支援のお陰で何とか乗り切ることができた。
しかし、こうしてデザインの仕事を本業にした以上は、訓練士として求められる、二年更新のための資格認定要項を満たすことは難しい現実が立ちふさがっている。
「そこの彼氏、真島くんと結婚したら、今の仕事を辞めて訓練士一本に絞ったらどうだ?夫が課長なら食いぶちにも困らないだろう?」
「か、課長とはそんなんじゃありません!ましてや結婚なんて・・・」
あたふたする日葵を尻目に
「今、僕と日葵さんは、蒼井の家で一緒に暮らしてるんです。今後のことも含めて、じっくり二人で話し合わなければなりませんね」
と、陽生が何も決まっていない将来を口にする。
「ちょっと、かちょ・・・」
日葵の肩を抱き寄せて、ジロリと視線を寄越す陽生に
「陽生さん、たら・・・もう・・・」
と、日葵は反論することも諦めて俯いてしまうのだった。