策士な課長と秘めてる彼女
「ウサギ?」

「ただのウサギじゃないわ!あなたもそのワンちゃんと暮らしているならその言葉の意味がわかるでしょ?」

鬼気迫る真佐子が、真剣な顔で日葵の腕を掴んで離さない。

「え、ええ。わかります。わかります。お母様」

なぜか日葵にそう言われて顔を赤らめる真佐子。

「わ、私は昔犬に追いかけられてからとても犬が苦手なの。でも、警察犬なら大丈夫かも知れないって思えるわ。なんせ、こんなに可愛い女の子の相棒をしているんだもの」

真佐子の言葉に日葵はニッコリと微笑んだ。

「はい!柊くんはとても賢いんですよ。毬ちゃんのことも絶対に見つけてくれると思います」

元気な日葵の声に、真佐子も勇気もホッと一息をつく。

「陽生さんが私と柊くんを連れてきたのはこのためだったのですね。きっとお役に立てると思います」

日葵はそう言うと、真佐子の顔をじっと見つめて励ますようにそう言った。
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