策士な課長と秘めてる彼女
「兄さん、今日はごめんね。毬ちゃんを逃がしてこんなことになって・・・。でもね、ほら、毬ちゃんの写真は撮れたよ?柵が邪魔で扉を開けて写真を撮ったら、フラッシュに驚いて逃げちゃったんだ」
勇気の部屋のベッドに勇気をおろすと、
勇気は、勉強机に置いてあったスマホを陽生に手渡した。
そこには真正面を向いた、イングリッシュロップの毬ちゃんが可愛らしく写っていた。
「ありがとう。日葵に見せてやりたくて勇気に頼んだんだが、逆に迷惑をかけたな」
「ううん。完璧な兄さんに何か頼まれることなんてないから僕嬉しくて張り切ったんだ。この写真、日葵さん、喜んでくれるかな?」
目をキラキラさせて聞いてくる勇気は、日葵のことを気に入ったようだ。
「日葵さんって本当に毬ちゃんに似てるよね?目がクリクリしてて、柔らかそうな髪とか。兄さんが好きになるのも無理ないよ」
「協力してくれるか?」
「もちろん!今まで兄さんに言い寄ってきた女性達に比べたら雲泥の差だよ。柊くんも格好いいし、僕、家族になるなら日葵さん達がいい!」
「ああ、そうなるように頑張るよ。今回、日葵に見せたくて写真を撮ったことが原因だってこと、日葵には黙っててくれるか?」
「もちろん。僕だってスマートに任務遂行できなかったこと知られたくないから黙っとく」
そう言った勇気の頭を、陽生はグリグリと撫で゛おやすみ゛と告げて部屋を出た。
そうして、勇気のスマホから転送させたウサギの毬ちゃんの写真を見る。
別に本当に毬ちゃんの写真が欲しかったわけではない。
前回、毬ちゃんが逃げ出した状況を利用させてもらっただけだった。
前回も、ソファで寝ている毬ちゃんの写真を真佐子がいきなり撮ろうとして毬ちゃんを驚かせ、逃げ出したのがことの発端だった。
その日、塾から帰ってきたばかりの勇気は、なし崩し的に毬ちゃんの捜索に加わったが、パニックになった真佐子からその理由まで聞かされてはいなかった。
だからこそ、純粋で疑うことを知らない勇気を利用して、毬ちゃんが脱走せざるを得ない状況を作った。
全ては゛犬嫌い゛で゛可愛いもの好き゛な母親をスムーズに日葵に陥落させるために・・・。
勇気の部屋のベッドに勇気をおろすと、
勇気は、勉強机に置いてあったスマホを陽生に手渡した。
そこには真正面を向いた、イングリッシュロップの毬ちゃんが可愛らしく写っていた。
「ありがとう。日葵に見せてやりたくて勇気に頼んだんだが、逆に迷惑をかけたな」
「ううん。完璧な兄さんに何か頼まれることなんてないから僕嬉しくて張り切ったんだ。この写真、日葵さん、喜んでくれるかな?」
目をキラキラさせて聞いてくる勇気は、日葵のことを気に入ったようだ。
「日葵さんって本当に毬ちゃんに似てるよね?目がクリクリしてて、柔らかそうな髪とか。兄さんが好きになるのも無理ないよ」
「協力してくれるか?」
「もちろん!今まで兄さんに言い寄ってきた女性達に比べたら雲泥の差だよ。柊くんも格好いいし、僕、家族になるなら日葵さん達がいい!」
「ああ、そうなるように頑張るよ。今回、日葵に見せたくて写真を撮ったことが原因だってこと、日葵には黙っててくれるか?」
「もちろん。僕だってスマートに任務遂行できなかったこと知られたくないから黙っとく」
そう言った勇気の頭を、陽生はグリグリと撫で゛おやすみ゛と告げて部屋を出た。
そうして、勇気のスマホから転送させたウサギの毬ちゃんの写真を見る。
別に本当に毬ちゃんの写真が欲しかったわけではない。
前回、毬ちゃんが逃げ出した状況を利用させてもらっただけだった。
前回も、ソファで寝ている毬ちゃんの写真を真佐子がいきなり撮ろうとして毬ちゃんを驚かせ、逃げ出したのがことの発端だった。
その日、塾から帰ってきたばかりの勇気は、なし崩し的に毬ちゃんの捜索に加わったが、パニックになった真佐子からその理由まで聞かされてはいなかった。
だからこそ、純粋で疑うことを知らない勇気を利用して、毬ちゃんが脱走せざるを得ない状況を作った。
全ては゛犬嫌い゛で゛可愛いもの好き゛な母親をスムーズに日葵に陥落させるために・・・。