策士な課長と秘めてる彼女
朝6時半。

日葵はベッドサイドに気配を感じて目を覚ました。

右隣を見ると陽生がしっかりと日葵を抱き込んで眠っている。

左側のベッド脇には、お座りをした姿勢の柊がじっと二人を見つめている。

「おはよう、柊くん。今日も正確だね」

柊の頭を撫でようと腕を伸ばそうとしたが、陽生に阻まれて腕を出せない。

「陽生さん、起きて」

日葵の優しい声では陽生には聞こえないらしい。

「ねえ、陽生さん・・・」

「バゥ!」

柊の一声でうっすらと陽生が目を開けた。

「良かった、柊くんのジョギングに行ってきます。だから腕、離して、ね?」

朝っぱらからなんて贅沢なご褒美なのだろう、と陽生は日葵の可愛い声を聞いて思っていたが、柊をないがしろにするわけにはいかない。

「キスしてくれたら起きる」

「そんな、ベタな・・・」

「バゥ!」

早くしろと言わんばっかりの柊の視線に日葵は耐えきれなくなり、素直に陽生にキスをした。

その瞬間、陽生の手は日葵の頭をしっかりとホールドし、その唇を堪能し尽くすまで離れなかったのはいうまでもない。
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