策士な課長と秘めてる彼女
「日葵がお客様を連れてくるって聞いて、おばあちゃん、はりきっちゃって、さっきお父さんとおじいちゃんとお買い物に行ったのよ」

そう言う夏子も、久しぶりに娘に会えて嬉しそうだ。

「おばあちゃんの調子はどう?」

「良かったり悪かったりね。時々、場所や人がわからなくなったりするかな」

日葵の問いに夏子が肩を竦めた。

「真島さん、おばあちゃんがおかしなことを言うかもしれませんが許してくださいね」

「日葵さんから伺っております。ご心配には及びません」

「まあまあ。本当に日葵は真島さんを信頼しているのね。そんな方とお付き合いしてるのなら安心だわ」

夏子の言葉に日葵は顔を赤らめる。

「あらあら、赤くなっちゃって。こんな日葵は初めて見たわ」

冷やかす夏子に言い返すこともできない。

日葵はチラッと陽生を見ると、余裕綽々な陽生の態度がなんとなく腹立たしいと思って頬を膨らませた。
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