策士な課長と秘めてる彼女
「どうぞ、召し上がれ」

日南子が作ったフレンチトーストはフランスパンで作る本格的なものだ。

型崩れせずに程よく焦げ目のついた表面はフワフワで見た目から美味しそうだ。

「いただきます」

両手を合わせたあと、フォークでそれを口に入れる様子を見ながら、期待した様子で日南子が尋ねる。

「どう？」

「絶品です」

「良かった！」

女子高生のように頬を染めて喜ぶ日南子はとても可愛かった。

「ありがとうございます」

「日葵ちゃんの旦那様のお口に合って良かったわ。よろしければ夕飯も食べて行ってね」

「おばあちゃん、陽生さんもお忙しいと思うから・・・」

「是非そうさせてください。お二人の伝説のお料理を食べずに帰るのはもったいない」

陽生の言葉に、夏子も

「どうせなら泊まって行きなさいな。日葵と同じ部屋でいいでしょう？」

フレンチトーストを作っている間に、陽生の身辺を確認したのか、日葵の両親はすっかり陽生を気に入っているようだ。

そして、なんか勘違いしているような・・・。
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