策士な課長と秘めてる彼女
日葵の気持ちが自分に傾いたという確証を得た以上、陽生は日葵に迷ったり考えたりする時間を与えるつもりはなかった。

結果的に日葵の祖母の心の状態も体調も安定しており、日葵を安心させることも出来た。

結婚前提の付き合いをほのめかすことで、日葵の両親からの後押しも得ることができた。

なし崩し的に日葵の純潔も奪ってしまったが後悔はしていない。

いやむしろ嬉しすぎて天にも昇る勢いだ。

いつでも喜んで責任をとらせてもらう所存でいる。

だが、まだ油断はできない。

日葵の父親から、婚姻届の証人の欄にサインはもらってきた。

陽生の父のサインは金曜日にすでにもらってある。

後は、日葵にサインさせるだけだが、それを実行して役所に提出するまでは気が抜けない。

日葵が心変わりする前に、全てを丸め込んで結婚に漕ぎ着けなければ。

陽生は隣県の名産のお土産を手にしながら、決意を新たにしていた。
< 82 / 149 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop