策士な課長と秘めてる彼女
「はあ?結婚?どうしたらそんな急展開になるんだよ」

週が明けた月曜日、陽生がお土産に選んだ桃のスイーツの箱を手にした悠馬は、驚きで思わず箱を落としそうになっていた。

蘭にいたっては呆れて腕を組んだまま固まっている。

「半年後に結婚式だ。式場を仮押さえしているが、その前にキャンセルが入れば、3ヶ月後でも大丈夫なようにスケジュールを調整するつもりだ。お前たちは結婚式に呼ぶつもりだからそのつもりで両日予定をあけておいてくれ」

「それで、日葵の気持ちはちゃんとついていっているのかしら」

蘭の冷静な言葉に、陽生は挑戦的に笑って

「当たり前だろ?日葵が嫌がることはしない」

と答えた。

「その言葉、ちゃんと覚えておきなさいよ」

日葵の気が変わるなんてそんな縁起でもないこと、陽生は考えたくはない。

蘭の瞳は、日葵を傷付けたら許さないと言っている。

「大丈夫だ」

陽生は自分に言い聞かせるように呟いた。

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