策士な課長と秘めてる彼女
外食産業の魅力、社の方針と活動内容について淡々と語る真島。

真摯に仕事に取り組む姿はわかったが、正直、面白味には欠けるなと日葵は思った。

「それでは、掲載用に写真を撮らせて頂きますがよろしいですか」

「ああ、ちょっと待て」

真島はジャケットの胸ポケットから眼鏡を取り出すと前髪を無造作に掻き崩して正面を向いた。

「えっ?これだといつもの真島課長ではなくなりますが・・・」

「ああ、スクショ(スクリーンショット)されて画像を悪用されたら困るからな。このくらいでちょうどいい」

ストーカー被害にでも会ったことがあるのだろうか?と日葵は思ったが、プライベートなことなのでスルーして写真を撮ることに没頭した。

「こちらでよろしかったでしょうか?」

日葵は、一眼レフカメラの再生画面を真島に見せる。

「へえ、きれいに撮れるもんだな。さすがプロだ」

光の加減、背景などのバランスを考えて、その場でのMAXを表現することを心がけている。

日葵は、いつも日葵を睨んでくる真島に誉められて悪い気はしなかった。
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