クールなオオカミの過剰な溺愛
始まりは雨の日に
その日は雨だった。
それも小雨なんかじゃなくて、土砂降りの雨。
中学の部活帰りに突然降ってきたものだから、『最悪だ』なんて呟きながら折りたたみ傘で帰っていた。
私の家があるマンションに着く頃にはセーラー服が濡れていて、ため息を吐きながらも早く屋根の下に逃げ込もうとしたその時───
「……えっ」
こんな土砂降りの雨の中、マンションの住民が外で座り込んでいるのに気がついた。
それも同じ学校の制服を着た男子。
髪は校則違反の金髪に染められた、“不良男子”で有名な人物である。
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