クールなオオカミの過剰な溺愛
「そ、そりゃあ女だから化粧のひとつやふたつ…」
「かわいい」
「……っ!?」
「焦ってる千紗、かわいすぎなんだけど」
これは、何というか…甘い。
とにかく甘すぎる。
ここまで愛しそうな目で見られたことがないし、逸らすのでやっとだ。
「……じゃあそろそろ行くか」
「ま、待って…私はひとりで」
「せっかくだから恋人繋ぎでもするか?」
有無を言わせぬ圧を感じるのは、きっと気のせいではない。
一緒に行くことを拒否すれば、恋人繋ぎで登校するぞという脅しである。
「い、一緒に行きたいなぁ煌哉と…あは、あはは」
そんなの一緒に行くという選択しかない。
どうしてこんなにも強引なのだ。
これはわざと強引を演じているわけではなさそうだし…案外強行突破するタイプなのだろうか。