クールなオオカミの過剰な溺愛



「今はもう連絡すらとってねぇから」

「別に私たちも付き合ってるわけじゃないし、連絡とったところで私には関係ないけどね」


思わず当たりが強くなってしまう。
だってそうだ。

まだ付き合っていないというのに、あんな手慣れたキスをされた私の身にもなってほしい。



「千紗、そんな怒んなよ」

「昨日のキスだって私は初めてだったのに…付き合ってもない人間と平気でそんなことできる人なんだね」

「それなら俺だって初めてだったけど」


いきなり何を言い出すんだ。
なんとも見苦しい言い訳。

ついさっきキスまでの関係を持った女子が何人もいたことを認めたではないか。


「意味わかんない」
「初めて好きになった女にキスしたこと」

「……っ」


この男はどうしてこうも上を行くのだ。

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