クールなオオカミの過剰な溺愛
昨日は嬉しかったはずなのに、今日はすごく複雑だ。
「意識してる千紗が悪い」
「してませんー!
もう本当に嫌だ!」
このままでは不利になると思った私は、また前をついて今度こそ机に突っ伏した。
どうして煌哉に振り回されてばかりなのだ。
どうせなら振り回してやりたい。
こんなブスがイケメン振り回したところで、周りからの嫉妬しか湧かないけれど。
「……はぁ」
疲れていても、目が冴えているためかまったく眠気が訪れてこない。
このままでは授業中に眠気がやってきてしまう。
頑張って目を閉じても無駄だった。
結局寝ることを諦めて顔を上げたその時、タイミングよく前の席である水瀬くんがやってきた。