クールなオオカミの過剰な溺愛



「水瀬くん…!」


待ってましたと言わんばかりに彼の名前を大きな声で呼んでしまう。

これで水瀬くんが話し相手になってくれれば、煌哉から意識が逸れるだろうと思ったからである。


「おはよう、夏原さ…」

水瀬くんは私を見下ろし、目が合った瞬間。
なぜか目を見張って立ち止まってしまった。



「……水瀬くん?」
「今日は雰囲気が違うね」

「えっ、あ…わかる?
実は化粧してて…」


ひと目見てわかるほど、私は変わっているらしい。


「何かあったの?」
「えっ…」

「化粧してくるのは珍しいから、何かあったのかなーって。顔も疲れてる」


人の観察に優れているのだろうか。

私の異変にすぐさま気づいた水瀬くんは神だろうか、いや神である。

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