クールなオオカミの過剰な溺愛



「実は寝不足で…あはは、バカだよね」
「寝不足は単に夜更かししただけ?」

「いや、それが…」


そこまで言いかけたところで、後ろから感じる圧にハッと我に返った。

今、煌哉に睨まれている気がする。


もしかしたら“言うな”というサインかもしれない。
そもそも言うべきでないだろう。

ここで噂が広がってしまえば、煌哉が私に惚れたということになってしまう。


つまりそれは女子たちの嫉妬を買ってしまうようなもので。

一大事である。
命の危険すらあるのだから。


「夏原さん?」

「あっ、うん…!夜更かししちゃってさ、愛しの響ちゃんの動画拝んでて!」

「ははっ、また響ちゃん?」


うん、なんとかうまく誤魔化せた…はず。
そうだと信じたい。

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