クールなオオカミの過剰な溺愛



「ご、ごめん!イケメンに耐性ないから私、普通に恥ずかしいけどお世辞ってわかってます…!」

「もちろんお世辞じゃないよ」
「気を遣わなくて大丈夫だよ!?」


こんな私を『素敵』だという水瀬くんはやはり神でしかない。

きっと何人もの女子が彼に堕ちたはずだ。



「面白いね、夏原さんは」
「もう前を向いてほしいかな…!」

さすがにもう教室に入ってくる生徒が増えてきた。
このままでは変な誤解を生じかねない。



なんせ彼の好きな人は凛花だ。
もしや私をダシにして嫉妬させようという考えだろうか。


「気に障っちゃった?」
「ううん、そんなことない…けど」

「けど?」
「ホームルームの前にひと眠りしたいんだ、あはは…!」


とにかく親しく話しかけられると困るのは私だ。

見え見えの嘘をついて水瀬くんに笑われてしまったけれど、私は気にせず寝る態勢へと入った。

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