クールなオオカミの過剰な溺愛
*
その日の授業はまったく頭に入らなかった。
「はぁ…」
午前の授業が終わった時にはすでに疲れ切っていて。
もうフラフラだ。
なんとなく窓の外に視線をやれば、この梅雨の時期に珍しくその日は晴れていて。
いっそのこと大雨になればいいのに、とすら思ってしまうのはきっと気分が落ちているためだろう。
「千紗ー?
何窓の外を見てるの?」
「あっ、凛花…ううん、なんでもない」
「すごい疲れてるね」
だって今日は寝れていないのだ。
かといって眠気も訪れてこない。
「うーん、まあね」
「じゃあせっかく晴れてるし中庭で食べよっか。
太陽の光浴びながらさ」
「え、外行くの?」
できればその場から動きたくないのだが、凛花は私の体を気遣ってくれているのだ。
外で日向ぼっこすれば、多少気持ちが落ち着くかもしれない。