クールなオオカミの過剰な溺愛






その日の授業はまったく頭に入らなかった。


「はぁ…」

午前の授業が終わった時にはすでに疲れ切っていて。
もうフラフラだ。


なんとなく窓の外に視線をやれば、この梅雨の時期に珍しくその日は晴れていて。

いっそのこと大雨になればいいのに、とすら思ってしまうのはきっと気分が落ちているためだろう。



「千紗ー?
何窓の外を見てるの?」

「あっ、凛花…ううん、なんでもない」
「すごい疲れてるね」


だって今日は寝れていないのだ。
かといって眠気も訪れてこない。



「うーん、まあね」

「じゃあせっかく晴れてるし中庭で食べよっか。
太陽の光浴びながらさ」

「え、外行くの?」


できればその場から動きたくないのだが、凛花は私の体を気遣ってくれているのだ。

外で日向ぼっこすれば、多少気持ちが落ち着くかもしれない。

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