クールなオオカミの過剰な溺愛

周りに対してはクールで素っ気ない、ひとりでも生きていけそうな見た目をしているというのに。

私の前では幼くなるらしい。



「歩くの遅い」
「煌哉が速いの！」


睨んでやるけれど、私の睨みは彼に効かない。
軽く微笑んで終わらされる。

その笑みの破壊力もすごいのだから憎めず、彼は無敵だ。



そんなイケメンの煌哉と地味で冴えない私。

どう見ても釣り合わない私たちが一緒に並んで登校しているだなんて、本当に不思議だ。


周りからもよく『幼なじみ？』とか『仲良いね』と言われるけれど、幼なじみではない。

まだ初めて話した日から数年しか経っていないのだ。


それなのに勘違いされるほど煌哉と関わっているということは、私たちは気が合うのかも知れない。