クールなオオカミの過剰な溺愛
凛花とは教室を出てから分かれ、私は購買へと向かう。
お昼が始まってすぐの時間帯は人が行き交い、廊下は混雑していた。
「時間、かかりそう…」
諦めてゆっくり行こうと思ったのだが、それでは凛花を待たせてしまうかもしれない。
なるべく早く行こうと決め、少し遠回りすることにした。
「160円のお釣りね」
「ありがとう…!」
購買のおばちゃんからお釣りと袋に入ったパンを受け取り、私はそこを後にする。
学食と併設している購買はまだ人が溢れかえっていたのだが、遠回りをしたことで逆に早く着くことができたらしい。
それから中庭に向かい、そこに設置されているベンチに座って待っておこうと思った。