クールなオオカミの過剰な溺愛
どうせなら『好きな人がいる』って言って、凛花の名前を出してくれないかなぁなんて。
「君の気持ちは嬉しいと思うよ。
でもごめんね、応えられない」
決してきつい言い方ではなく、柔らかな口調で。
相手を刺激しないように断る水瀬くん。
きっと彼なりの優しさだろう。
「そう、だよね…じゃあっ…あの、せめて友達からでも」
「そんな中途半端なことをしても君を傷つけるだけだろうから…ごめんね」
二度も断られた女子は今にも泣き出しそうで。
水瀬くんを一切見ず、逃げるようにその場を去っていた。
どうやらイケメンにも苦労があるようだ。
何度も告白を断るだなんて、本人も苦しいだろう。