クールなオオカミの過剰な溺愛
顔を上げれば、彼の耳につけられてあるシルバーのピアスが光った気がした。
「能天気な君を見てるとイライラするんだ」
じゃあ、席替えをした昨日。
私といると“落ち着く”と言っていたのは嘘なのだろうか。
いや別に期待していたわけではないけれど。
「そう、なんだ…」
「あれ。意外と反応薄いね」
「私も水瀬くんのこと、今嫌いになったんで」
「じゃあ俺たち逆にお似合い?」
なんてことを言いだすんだ。
私のことを嫌いと言ったくせに、逆にお似合いだなんて。
水瀬くんのことがますますわからなくなるけれど、裏はダダ漏れだ。
「こんなの凛花がかわいそう…」
こんな男に好かれたこと自体、人生の汚点ではないか。