クールなオオカミの過剰な溺愛
クラスの中で数人が『最悪だ』『だるい』などと嘆いている。
きっと私と同じ補習組みだろう。
「終わったやつから職員室にいる俺に提出するようにな。もちろん生徒名は控えてあるから、無断で帰ることは諦めろよ」
どうしよう、無理だ。
終わる気がしない。
せっかく教えてくれたことが吹っ飛んでしまった今、もう一度理解することから始めなければならないというのに。
「こ、こ、煌哉…」
まるでロボットにでもなった気持ちで、恐る恐る後ろを向いた。
「ん?なに」
何って聞きながら、絶対にわかっているはずだ。
だって意地の悪い笑みを浮かべているのだから。
「お、お願いします…助けてください」
「ふはっ、素直だな」
「だって煌哉がいないと死んじゃう」
このままではいつまで経っても残らされてしまうことになるだろう。