クールなオオカミの過剰な溺愛



「なんかやっと水瀬に勝てた気分」
「えっ…」

「俺のは嫌じゃなかったんだなって」

「か、勘違いしないでよ!?相手が信頼している煌哉だったからであって、そんな簡単にキスなんて…」


嫌じゃなかったのは認めるけれど、嬉しかったわけでもない。

夜なんて眠れないほど頭の中がぐちゃぐちゃになっていたのだ。



「じゃあ水瀬にキスされたまま終わっていいのか?」
「……え」

「最後にキスした相手、水瀬でいいんだ?」

「何言って…それはもう忘れたから!
何度も拭ったしなかったことにしたの!」


私のほうだって気にしているというのに、どうしていちいち突っ込んでくるかな。

実は意地悪して、私の反応を楽しんでいるのだろうか。

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