クールなオオカミの過剰な溺愛



いちいち行動があざとくてずるい。

自分がかっこいいからって、わざとこんなことをやっているに決まってる。


「……ダメ」
「一瞬でも?」

「しつこいと怒…っ」


負けじと言い返そうとすれば、煌哉の親指が私の唇に添えられた。


「千紗はガードが固いんだな」
「……ん!」


煌哉の指のせいで口が開けないため、きつく睨んでやるけれど。

彼は楽しそうに笑うのみだから腹が立つ。


「でも隙だらけって、バカみてぇ」


ひどい、ひどすぎる。
水瀬くんも煌哉も、私のことをバカバカバカって。

さすがに言い過ぎではないか。


「まあ今は我慢するか」
「……っ、あ、当たり前でしょバカ煌哉!」


ようやく指を離してくれたため、早速口を開いて煌哉を責める私。

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