クールなオオカミの過剰な溺愛
とはいえ彼はまったく反省してくれないけれど。
反省する気もなさそうだけれど。
「じゃあとりあえずプリント出しに行くぞ。
どこ食べに行きたいとか決めたか?」
「それどころじゃなかった!」
「そう怒んなよ、本心言っただけなのに」
もし本当に本心だったとしても、自粛すればいい話だ。
わざわざ私に迫り、唇に触れる意味があったのだろうか。
少し行き過ぎた行動に私は怒っているのだ。
それから恥ずかしくなって顔が熱くなり、反応してしまう自分に対しても。
これじゃあ煌哉のやりたい放題だ。
「もう絶対に高いところ選んでやる!」
「千紗が喜ぶならいくらでも出すけど」
「バッカじゃないですか!?
こんな女に貢ぐ男がいるんだね!びっくりした!」
わざと怒らずことを言ったつもりなのに、彼は決して怒らないから不思議だ。
本当に元不良なのだろうか。
短気のイメージがあるというのに。