クールなオオカミの過剰な溺愛



「満足したか?」
「大満足です…!すごく幸せ」

「…ふっ、本当にかわいいやつ」


私たちは途中下車してお肉屋さんに行ったため、また電車へと乗り込み。

最寄駅に着いた時にはもう8時を余裕で過ぎていた。



「かわいいとか平気で言ったらダメだからね。
それで期待する女子もいるんだから」


学校にいた時の私ならきっと『かわいいって言うな!』とだけ言っていただろうけれど、今は違う。

上機嫌であるため、丁寧に『かわいいと言ったらダメ』だと伝えた。


「事実なら別にいいだろ」
「煌哉の目は節穴だね」

「なら節穴でいい。自分でも歯止めがきかねぇくらい好きになってるみたいだし」


甘さの感じられる優しい笑みに、一瞬ドキッとした。
夜の暗闇が彼と見事に合っている。

どこか危険さを漂わせている彼。

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