クールなオオカミの過剰な溺愛
「夢みたいだな」
「……夢?」
「こうやって“友達”の境界線越えるの」
「それは私も夢みたいだって思うけど」
「意味合いが違うだろ?
俺は嬉しくて信じられねぇってことだから」
「……っ」
ああ、どうしてこうもストレートなのだ。
真っ直ぐな言葉にいちいち照れさせられる。
「煌哉が煌哉じゃないみたい…」
「これが本当の俺だから。
千紗が欲しくて下心丸出しの男」
「っ、やだ…変な人」
まさか煌哉がそんなことを思っていただなんて。
想像もつかなかった。
「俺だって今までみたいな生ぬるい関係は嫌だな。
千紗は鈍いから気づかねぇし」
「煌哉がまったくにおわせないのが悪いじゃんか」
「クラスの奴らは気づいてたけどな」
「それ、は…」
私だって驚きだ。
クラスのみんなが気づいていたという事実に対して。