クールなオオカミの過剰な溺愛



「夢みたいだな」
「……夢?」

「こうやって“友達”の境界線越えるの」
「それは私も夢みたいだって思うけど」

「意味合いが違うだろ?
俺は嬉しくて信じられねぇってことだから」

「……っ」


ああ、どうしてこうもストレートなのだ。
真っ直ぐな言葉にいちいち照れさせられる。



「煌哉が煌哉じゃないみたい…」

「これが本当の俺だから。
千紗が欲しくて下心丸出しの男」

「っ、やだ…変な人」


まさか煌哉がそんなことを思っていただなんて。
想像もつかなかった。


「俺だって今までみたいな生ぬるい関係は嫌だな。
千紗は鈍いから気づかねぇし」

「煌哉がまったくにおわせないのが悪いじゃんか」
「クラスの奴らは気づいてたけどな」

「それ、は…」


私だって驚きだ。
クラスのみんなが気づいていたという事実に対して。

< 167 / 300 >

この作品をシェア

pagetop