クールなオオカミの過剰な溺愛
「だからもう俺は今の自分貫く。
変わるとしたら千紗だな」
「わ、私も気持ち変わらないよ!」
「変えるんだよ、俺が千紗を」
どっからくるのだその自信。
はっきりと言い切った彼はもう考えを曲げない様子。
これ以上言い合ったところで意味がないと思い、黙ってため息を吐こうとしたら───
「……千紗」
「なに…んっ」
名前を呼ばれて油断した私が悪かった。
昨日に続いて今日も煌哉に隙をついて唇を重ね合わされてしまう。
手は握られたままで、この間のような触れるだけのキスではない。
数秒間重ねられたものだった。
「これで水瀬の上書きもできたし、俺も満足した」
「……っ」
それなのにまた恥ずかしく、顔が熱くなって取り乱すのは私だけで。
煌哉はただ満足そうに笑うだけで。
「もう煌哉なんて大嫌いだ!
この女たらし!」
上機嫌だった私も、また煌哉にキスされたことにより不機嫌へと変わり。
けれど言葉とは裏腹に胸はドキドキと高鳴っていた。