クールなオオカミの過剰な溺愛
シルバーピアス
それから1週間後。
まだ梅雨シーズン真っ只中のため、ずっと悪天候が続いていた。
煌哉との関係は相変わらずと言いたいところだったけれど───
「千紗、早く起きねぇと手出すぞ」
大きく変わってしまった。
まずは毎朝の起こし方からだ。
ぼーっとする中、ゆっくりと目を開けると煌哉が私の顔を覗き込んでいて。
さらには頬を軽くつねられていた。
「……痛い」
「寝すぎだぞ、いいのか?
手出しても」
「……っ!?」
なんて言って、本当に着ているTシャツの裾から手を入れようとしてきたため、完全に目が覚めた。
「へ、変態野郎!!
寝込みを襲おうとするだなんて何事!?」
勢いよく起き上がった私は壁に背中をつけ、なるべくベッドの端へと移動した。