クールなオオカミの過剰な溺愛
「もー、嫌い嫌い。
煌哉なんて嫌いだ」
「毎日言われてる気がするんだけど」
「事実だからね!」
「厳しいんだな、千紗は」
諦めたように息を吐いた彼は、私の頭を数回ぽんぽんした後にようやくベッドから降りた。
「まあ本気で襲うつもりはねぇから安心しろよ。
早く準備してこいよ?」
結論、煌哉は私の反応を見て楽しんでいたのだ。
私の部屋を出る前の煌哉といったら、もう本当に満足した様子であった。
遊ばれている気しかしない。
実際に不良時代はたくさんの女の子とキスしていたらしいし。
「何なの…!」
ひとりになってからも不満を漏らしながら、私は制服に着替えて準備を始めた。