クールなオオカミの過剰な溺愛
ただ準備が終わっても私のイライラは収まっておらず。
「煌哉くん、ごめんね…せっかく起こしに来てくれてるのに千紗がこんなんで」
「大丈夫です。
気にしないでください」
不機嫌なままリビングに行けば、なぜかお母さんは煌哉に謝ってしまう。
本当に何もわかっていない。
私は不機嫌になって当然だし、お母さんも煌哉に謝る必要がないのである。
「千紗、何でそんなに不機嫌なのかはわからないけど煌哉くんに失礼でしょ」
「煌哉にならいいの」
毎回毎回迫られて苦労している私の身にもなってほしいものだ。
「まったく…毎朝煌哉くんのおかげで起きれてるのよ?感謝の気持ちがあるならそんな態度とらないの」
「限度を知らない煌哉が悪いからね…私は悪くない……」
「またそんなこと言って」
私がいつまでも態度を変えないからだろう、お母さんは呆れた様子で会社に行ってしまった。