クールなオオカミの過剰な溺愛
「本気だからいいだろ。千紗が誰かのものになるぐらいなら、無理矢理でも自分のものにしたい」
「こ、こんなバカだったんだね…!」
恥ずかしくなった私は煌哉の存在をなかったことにして、朝ごはんを食べ始める。
このままずっと無視してやる、と決めたけれど。
「そんな焦って食べても喉詰まるだけだぞ?」
煌哉はじーっと私の食べる姿を見つめてくる。
思わず睨んだけれど、愛おしそうな目を向けられるだけ。
「何でそんなにかわいいんだよ」
最終的には手を伸ばして私の頭を撫でてくる。
これはいったいどんな扱いだろうか。
「か、かわいくない…趣味悪いね」
「千紗の良さは俺ひとりがわかってたらいい」
「良さとかないから!」
噛み付く勢いで言い返すが、それでも煌哉は微笑んでいる。
なんだか子供と大人の差にすら思えてきて、私は俯いてもう一度ご飯を口に運んだ。