クールなオオカミの過剰な溺愛
少しずつ見えてくる彼の素顔。
本当はこんなにも脆くて弱い。
実は抱えているものが大きいのかもしれない。
水瀬くんの言う“守れなかった”とは、美織さんのこと?
必死で探していたシルバーのピアスも美織さんが関係している?
「……関係、ないのに」
私には一切関係がないというのに、ただ弱々しい彼を見て何かできないだろうかと考えしまう自分がいた。
私は傷つけられた身なのに。
遊ばれた身なのだ。
いったい水瀬くんが何を考えているのか、私にはわからないけれど。
考えたくもないけれど私は───
「……どうしよう」
なんて、彼のことを気にしてしまう自分がいたのだった。