クールなオオカミの過剰な溺愛






その日の放課後。
いつも通り煌哉と帰る───

と、言いたいところだったけれど。


「バカ千紗、何で忘れてたんだよ」
「うっ…ごめんなさい」

6限目の数学の時間に提出予定だった宿題を完全に忘れていた私。

そのため煌哉と私しかいない教室に居残りで問題を解いていた。


数学の先生は厳しいため、提出しないと大幅な減点の恐れがあるのだ。



「なんか最近ダメだな、私」


調子が上がらない。

このままでは煌哉に教えてもらってもなお、悪い点数を取ってしまいそうだ。


「そんな落ち込むことないだろ?」
「だって今日も宿題完全に忘れてたし…」


ツイていない。

一度やらかしてしまえば、それに引きずられてどんどん落ち込んでしまう。

< 219 / 300 >

この作品をシェア

pagetop