クールなオオカミの過剰な溺愛
*
その日の放課後。
いつも通り煌哉と帰る───
と、言いたいところだったけれど。
「バカ千紗、何で忘れてたんだよ」
「うっ…ごめんなさい」
6限目の数学の時間に提出予定だった宿題を完全に忘れていた私。
そのため煌哉と私しかいない教室に居残りで問題を解いていた。
数学の先生は厳しいため、提出しないと大幅な減点の恐れがあるのだ。
「なんか最近ダメだな、私」
調子が上がらない。
このままでは煌哉に教えてもらってもなお、悪い点数を取ってしまいそうだ。
「そんな落ち込むことないだろ?」
「だって今日も宿題完全に忘れてたし…」
ツイていない。
一度やらかしてしまえば、それに引きずられてどんどん落ち込んでしまう。